2 0 0 9 年 1 0 月  

《 25日 》    虎毛山 ・ 高松岳 ・ 山伏岳

赤倉沢林道終点 〜 虎毛山 〜 高松岳 〜 山伏岳 〜 荒場沢林道終点  (縦走)

    翌朝は道の駅『おがち』を5時前に出発し、山伏岳からの下山口とした秋ノ宮温泉の奥の荒場沢林道の終点に車を1台デポしてから、虎毛山への唯一の登山口となる赤倉沢へ車で向かう。 6時に赤倉沢の林道の終点の登山口を出発。 登山口には山頂の避難小屋に泊まっているパーティーのものと思われる車が1台停まっていた。 昨夜は満天の星空だったが、今日も期待していた快晴ではなく、しかも風が強い。 赤倉沢に沿った緩やかな勾配の道をしばらく歩いてから木の橋で対岸に渡ると、そこが実質的な登山口となっていて『標高630m・山頂まで3.2キロ』と記された案内板があった。 のっけから九十九折れの急坂を登るが、周囲の紅葉がちょうど見頃で癒される。 惜しむらくはもっと陽射しが欲しい。 虎毛山から高松岳への縦走路に上がる手前でようやく待望の朝陽が当たり始めた。 縦走路との分岐には『高松岳まで8キロ』と記された標識と『高松岳まで11.5キロ』と記された標識が何故か二つあった。 分岐に水だけデポして虎毛山に向かう。 青空も見えているが、湿気を含んだ怪しげな雲が山頂を隠し、いかにも不安定そうな空模様だ。 山頂に着く頃には雲が取れるだろうか。 間もなく山頂に泊まられたパーティーとすれ違ったが、話しを聞くのもはばかられた。 8時半過ぎに霧に煙る山頂に到着。 風が強いので避難小屋で休憩しながら天気の回復を待つが、すぐには良くなりそうもない。 雨具を着込んで山頂の南東斜面に広がる高層湿原を散策する。 池塘の点在する“雲上の楽園”も今日は開店休業だ。 あまり時間もないので、9時半前に山頂を辞して高松岳に向かう。 赤倉沢への分岐付近で何組かの日帰りのパーティーとすれ違ったが、分岐から先の縦走路では再び私達だけの静かな世界となった。 縦走路は熊笹の中にブナの木が点在する明るい尾根道だったが、すでに紅葉の盛りは過ぎているので樹間から山裾の紅葉を愛でる。 高松岳と山伏岳も時々樹間から顔を覗かせる。 縦走路から振り返り見た虎毛山は、お椀を逆さまにしたようなボリューム感のある山容が印象的だった。 右手に見える栗駒山や左手に見える神室連峰には虎毛山と同じような雲が取り付いているが、頂稜部が白くなっている鳥海山が唯一すっきりと遠望された。 幾つかのピークは巻いて通過したものの、縦走路は意外とアップダウンが多く、稜線漫歩という感じではなかったので、軽装での日帰りの縦走は正解だった。 湯ノ又温泉から高松岳に登る『ガンジャロコース』との分岐を過ぎると間もなく森林限界となり、開放感のある高松岳の頂上稜線へ最後の急坂を登る。 ようやく雲が取れた虎毛山は、もう遥かに遠い。 1時半過ぎに展望の良い高松岳の山頂に着いた。 指呼の間に避難小屋が見えたが、そちらの方が標高が高そうに思えた。 山頂からは東に栗駒山が、西にはこれから向かう山伏岳への稜線とその奥に鳥海山が見えた。 避難小屋の前で大休止し、2時半前に最後のピークとなる山伏岳へ向かう。 山伏岳までの縦走路は起伏も少なく、労せずに1時間足らずで着いた。 山頂は風が強かったので、写真だけ撮ってすぐに下山する。 荒々しい屏風尾根の手前で尾根を外れ、急坂をジグザグにしばらく下ると、紅葉が見頃の樹林帯となった。 30分ほど樹林帯のゆるやかな道を辿ると硫黄の臭いが漂い始め、夕方の4時半に車をデポした荒場沢林道の終点に着いた。 麓の秋の宮山荘で汗を流し、鳴子温泉を経て古川 ICから再び夜の東北道をひた走って帰途についた。


登山口の赤倉沢付近は紅葉がちょうど見頃だった


分岐から縦走路を虎毛山に向かう


虎毛山山頂の避難小屋


山頂の南東斜面に広がる高層湿原


池塘群


熊笹の中にブナの木が点在する明るい縦走路


縦走路から見た高松岳(右)と山伏岳(左)


縦走路から振り返り見た虎毛山はボリューム感のある山容が印象的だった


幾つかのピークは巻いて通過する


縦走路から見た栗駒山には雲が取り付いていた


山裾の紅葉


樹間から見た高松岳


高松岳山頂


高松岳山頂から見た山伏岳と鳥海山(遠景左)


高松岳山頂から見た避難小屋


山伏岳方面から見た高松岳(右が山頂)


山伏岳方面から見た虎毛山


山伏岳



山伏岳から屏風尾根に向けて下る


2 0 0 9 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P