2 0 0 9 年  9 月  

《 26日 〜 27日 》    黒倉山 ・ 岩手山 ・ 犬倉山 ・ 大松倉山 ・ 三ツ石山

    《 26日 》    松川温泉 〜 姥倉山 〜 黒倉山 〜 御苗代湖 〜 不動平避難小屋 〜 岩手山 〜 不動平避難小屋(泊)

    9年前の秋の連休に初めて岩手山を訪れた時は火山活動による登山道の入山規制があり、八幡平から裏岩手を大深山荘に一泊して三ツ石岳まで縦走して松川温泉に下り、翌日馬返しから岩手山を日帰りで登るという変則的なルートを取らざるを得なかった。 その時、岩手山の山頂から見た八ツ目湿原(御苗代湖)の紅葉の美しさに目を奪われ、是非いつか再訪することを心に誓った。 今回はその八ツ目湿原をメインに松川温泉からの周回ルートで岩手山に行くことにした。 東北道の『長者原SA』に前泊し、『松尾八幡平IC』経由で登山口の松川温泉を9時半に出発。 姥倉山まではマイナーなルートで登山者には出会わなかったが、犬倉山から黒倉山への縦走路では網張温泉からリフトで登ってくる軽装の登山者が多く見られた。 意外にも黒倉山の山頂は所々で地面から噴煙が上がっていて驚かされたが、それ以上に山頂からの堂々とした岩手山の雄姿と眼下の大地獄谷の紅葉が圧巻だった。 黒倉山を越えた先からは尾根ルートの『鬼ガ城』と谷ルートの『お花畑』方面とに分かれているが、迷わず八ツ目湿原を目指して谷ルートへ下る。 尚、どちらのルートを辿っても今日泊まる9合目の不動平避難小屋へは2時間ほどである。 大地獄谷の紅葉はまさに盛りで、期待以上の美しさに興奮が覚めやらない。 沢の源頭で水を5Lほど汲み、『お花畑』の標識を左に折れて八ツ目湿原の看板である神秘的な色をした御釜湖と御苗代湖からの風景を存分に楽しむ。 湖畔にはオカリナでフォルクローレを奏でる粋な方もいた。 『お花畑』の標識に戻り、避難小屋の建つ不動平へ登る。 急登だが右手には荒々しい鬼ガ城の岩壁が仰ぎ見られ退屈しない。 夕方4時前に改築された新しい避難小屋に到着。 2階建ての避難小屋は予想以上に広く、20人は楽に泊まれそうだった。 荷物をデポして山頂に向かう。 火口の縁まで登ると、山の風景を撮影していたNHKのカメラマン氏から、モデルになって欲しいと頼まれ、二つ返事で引き受ける。 残念ながら地元のローカル放送で来週放映されるとのことだった。 避難小屋から30分足らずで着いた岩手山の頂からは八甲田、岩木山、早池峰、秋田駒、神室、鳥海などが墨絵のように淡く望まれた。 残念ながら錦秋の八ツ目湿原にはすでに陽が当らなくなってしまったが、日本海に沈みつつある夕陽を拝みながら避難小屋へ下る。 結局この日の避難小屋はカメラマン氏を含めて5人だった。 炊事をしながら皆で歓談して8時頃には就寝。


 

姥倉山への登りから見た裏岩手(大松倉山(中)とその右が三ツ石山)


姥倉山付近から見た犬倉山


姥倉山付近から見た黒倉山(手前)と岩手山(奥)


黒倉山山頂から見た岩手山


黒倉山山頂から見た鬼ガ城の稜線と大地獄谷の紅葉


大地獄谷から見た岩手山


大地獄谷から見た屏風尾根


大地獄谷から見た鬼ガ城


大地獄谷から見た黒倉山


八ツ目湿原から見た岩手山


八ツ目湿原から見た鬼ガ城


御釜湖(手前)から見た岩手山


御苗代湖と屏風尾根


不動平避難小屋


岩手山の火口の縁を登る


山頂(薬師岳)から見た火口(妙高山)


夕焼けに染まる秋田駒


    《 27日 》    不動平避難小屋 〜 岩手山 〜 不動平避難小屋 〜 鬼ガ城 〜 黒倉山 〜 犬倉山 〜 大松倉山 〜 三ツ石山 〜 松川温泉

    翌朝はカメラマン氏に合わせて皆一斉に4時に起床。 4時半にご来光を拝みに山頂に向かう。 星空であったが東の空に低い雲があり、雲間からのご来光となった。 眼下の八ツ目湿原を眺めながら避難小屋へ戻り、荷物を整理して6時半過ぎに避難小屋を出発。 天気は昨日に引続き快晴である。 僅かな登りで鬼ガ城の最高点に着き、朝陽が当り始めた八ツ目湿原に歓喜しながら展望抜群の尾根道を下る。 順光となった黒倉山の山肌も見事な紅葉を披露してくれた。 黒倉山から次のピークである犬倉山の間では、昨日同様に網張温泉からリフトで登ってくる軽装の登山者が多く見られた。 犬倉山を過ぎると登山者も少なくなったが、それでも予想以上の人出だった。 犬倉山から次のピークである大松倉山までの間の山肌の紅葉もまずまずで、図らずも一番紅葉の良い週末に当ったような感じがした。 秋田駒もだいぶ近づいてきた。 意外にも大松倉山から三ツ石山荘に下ると、犬倉山周辺よりもさらに多くの家族連れの登山者などが山荘の周囲に見られたばかりか、三ツ石岳の山頂も大勢の登山者で鈴なりだった。 不思議に思って地元の方に話を伺うと、網張温泉から先に伸びる車道の途中から1時間足らずで三ツ石山荘に至る登山道があるとのことだった。 三ツ石山荘から松川温泉に下る登山道ではようやく静かさが戻り、3時前に松川温泉に下山した。 松川荘で入浴し、SW明けで渋滞のない東北道で長い帰途についた。


火口の縁から見た燃えるような朝焼け


山頂から見た八ツ目湿原


不動平と鬼ガ城


火口の紅葉


鬼ガ城から見た八ツ目湿原


秋田駒を正面に見ながら鬼ガ城の稜線を辿る


鬼ガ城から見た黒倉山(中)と大地獄谷(右)


犬倉山への登りから見た姥倉山


犬倉山山頂から見た岩手山


犬倉山山頂から見た三ツ石山(中央左)


大松倉山への登りから見た犬倉山


大松倉山


大松倉山山頂から見た岩手山


三ツ石山荘手前から見た三ツ石山


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