《 5日 〜 6日 》 朝日岳 ・ 雪倉岳 ・ 白馬岳
蓮華温泉 〜 朝日岳(テント泊) 〜 雪倉岳 〜 三国境 〜 白馬岳 〜 三国境 〜 小蓮華山 〜 白馬大池 〜 蓮華温泉 (周回)
今年の夏は天候が不順だ。 ようやく週末の天気が良くなるとの予報で久々に山に行くことにしたが、まだ夏山シーズンで山が混雑するので、蓮華温泉から朝日岳というマイナーなルートを選んだ。 本来このルートは春の山スキーか初夏の花のシーズン、あるいは秋の紅葉の時期に訪れるのがベストだろうが、朝日岳の山頂で泊まれば朝夕の素晴らしい景色に遭遇できるのが魅力だ。 出発直前にkana−catさんから連絡があり、思いがけずご一緒することになった。 道の駅『池田』に前泊して、朝7時にkana−catさんと合流し登山口の蓮華温泉に向かう。 案の定、天気は予報より悪く、車窓から見た山々は霧に煙っている。 10時前に蓮華温泉を出発。 陽射しもなく白高地沢までの登山道は所々に木道が敷かれた緩やかな下りなので暑さはさほど感じなかったが、白高地沢を渡り樹林帯の登りになると、蓮華温泉から300mも下ったことに加え風も無かったので、久々に日本の夏山特有の蒸し暑さを全身で感じた。 花園三角点の手前で樹林帯を抜けると再び木道の階段となり、展望には恵まれなかったが霧と風で涼しくなった。 花の盛りは過ぎているが、高山植物が多く見られるようになり、特にマツムシ草・シモツケ草・トラノオなどがそこらじゅうに群落をなしていた。 初夏の頃は素晴らしいお花畑となるのだろう。 栂海新道との分岐の手前には幾筋もの細かい水流があり、ここで水を一人あたり3Lほど汲む。 栂海新道との分岐に着くとようやく待望の青空となり、指呼の間となった朝日岳や五輪山などが良く見えた。 夕方5時前にすでに人影のなくなった朝日岳の山頂に到着。 明日の好天を予告するかのように天気はますます良くなり、剣岳や毛勝三山、そして頚城の山々が雲海上に頭を揃えた。 海に近いのに風が全くないのが不思議だ。 テントを設営し、夕食の準備をしながら雲海に沈む夕陽を眺め、素晴らしい夕焼けショーを堪能する。 夕焼けショーが終わると図らずも今度は満月がスポットライトのように輝き、白馬岳や雪倉岳を闇から引き戻す。 生憎の雲海で日本海の漁火は見えなかったが、期待以上の展望で嬉しかった。 夕食を食べながらkana−catさんとペルーでの想い出話しに花を咲かせていると、いつの間にか9時を過ぎてしまった。 テントを叩く風の音は皆無で、翌朝は4時半過ぎにご来光を見に集まってきた人たちの足音で目覚める。 雲海に浮かぶ頚城の山からのご来光を拝み、テントを撤収して6時過ぎに山頂を出発。 上空は昨日とは違う雲一つない快晴だ。 山スキーの滑降ルートをイメージしながら、小湿原の小桜ケ原に下り赤男山の山腹を巻いて雪倉岳に登り返す。 あてにしていた燕岩直下の水場は水流が細くて使えず、登山道から少し外れた雪倉岳の北側斜面に残る小さな雪田から染み出す雪解け水に救われる。 雪倉岳の山頂は白馬岳方面からの縦走者で賑わっていた。 再び眼前に鎮座する白馬岳や旭岳方面からの山スキーの滑降ルートをイメージしながら、鉢ガ岳の山腹を巻いて三国境に登り返す。 夏山らしく正午を過ぎると白馬岳に雲が湧き始めたが、せっかくなので三国境に荷物をデポしkana−catさんと白馬岳を往復する。 kana−catさんの速いペースに息が上がる。 霧のため山頂からの展望は叶わなかったが、すでに心の準備は出来ていたので悔しくない。 1時前に山頂を発ち、白馬大池を経て蓮華温泉に下る。 途中の小蓮華山も霧に煙り展望なし。 蓮華温泉への下山は夕方の5時半近くとなり、kana−catさんも馴染みにしている白馬の温泉『岳の湯』に直行し、打ち上げもせずに道の駅『池田』で解散した。