《 8日 》 毛無山 ・ 十二ケ岳 ・ 金山 ・ 節刀ケ岳 ・ 鬼ケ岳
文化洞トンネル 〜 毛無山 〜 十二ケ岳 〜 金山 〜 節刀ケ岳 〜 金山 〜 鬼ケ岳 〜 鍵掛峠 〜 根場 (縦走)
真冬の河口湖周辺の朝の冷え込みは厳しいが、今朝は驚くほど暖かい。 前泊した『道の駅なるさわ』から下山口の西湖畔の根場の駐車場に車で移動し、駐車場の前のバス停から8:10発のバスに乗る。 10分ほどで登山口の文化洞トンネルに着くと、こちらの駐車場には5台ほど車が停まっていた。 今日は久々に山中で人に会いそうだ。 今日予定している毛無山から鍵掛峠への縦走路は、途中の毛無山、十二ケ岳、節刀ケ岳、鬼ケ岳の各ピークからの展望が良いことに加え、首都圏からも近く、登山口までのバス便もあるため、御坂山塊の中では屈指の人気ルートである。 私も以前、いずれも冬期であるが2度足を運んでいる。 まるで春のような陽気で気持ち良いが、先月この付近の山を訪れた時は登山口から雪を踏み、途中から軽いラッセルとなったことが嘘のようだ。 最初のピークである毛無山までの道は全く単調で変化がないが、30分もすると冬枯れの樹間から富士山が背後に望まれるようになる。 樹林が切れ、黄金色のカヤトが一面に広がり始めると、たおやかな毛無山の頂である。 左に河口湖、右に西湖を俯瞰して正面に富士山が鎮座する見事なロケーションだ。 すでに富士山の雪線は5合目以上となり、目の錯覚か山が低く感じられる。 毛無山の山頂には雪は全く見られなかったが、ここから望む十二ケ岳の山頂付近には雪が見られた。 少し風が出てきたので、ジャケットを着込んで十二ケ岳方面への縦走を開始する。 小さなアップダウンが連続し、所々にロープの張られた岩場の通過があるので退屈しない。 覆い被さるような迫力ある十二ケ岳への最後の登りに入る手前の大ギャップには新しいつり橋が架かっていた。 つり橋を渡ると急登の連続となり、ロープや鎖を頼りに登る所が多くなる。 足元が硬い雪や氷で覆われている所は下りではアイゼンが欲しくなるだろう。 毛無山から2時間ほどで十二ケ岳の山頂に着く。 山頂の露岩からの360度の展望は素晴らしく、これから辿る節刀ケ岳から鬼ケ岳の稜線の間に甲斐駒から蝙蝠岳まで南アルプスの山々が一望出来た。 天気は予報以上に良くなり、風もだいぶ収まった。 十二ケ岳から金山に向かう途中の急な岩場の下降では、岩が融雪で凍っていて少々スリリングだった。 次の金山は独立したピークというよりも御坂山から続く御坂山塊の主脈との合流点であり、御坂山方面に少し戻る形で節刀ケ岳へ向かう。 途中、反対方向から来た迷子?の猟犬が人恋しさに私達にまとわりつき、節刀ケ岳の山頂までついてきてしまったが、飼い主の居場所が分かったのか、いつの間にか視界から消えた。 節刀ケ岳の山頂からは南アルプスは言うに及ばず八ヶ岳や奥秩父の山々も良く見えるようになり、双眼鏡を覗きながら山座同定を楽しむ。 毛無山から十二ケ岳までの連続した小ピークの連なりや今日の縦走路も良く俯瞰されて面白い。 金山まで一旦戻って大休止した後、最後のピークとなる鬼ケ岳へ向かう。 先ほどまでの縦走路に比べてアップダウンも少なくなり少々退屈だ。 突然目の前に大きな岩が立ち塞がったが、それは紛れもなく山名の由来となった鬼の角の形をした岩であり、そこが鬼ケ岳の山頂である。 すでに2時半を過ぎていたが、快晴の空の青さは衰えることなく、無木立の山頂からの好展望にダメを押す。 鍵掛峠への下りでは、僅かな距離であるがようやく雪を踏むことが出来て心地良かった。 鍵掛峠からは樹間から富士山を垣間見ながら下り、下山口の根場の駐車場に5時前に着いた。