2 0 0 9 年  2 月  

《 7日 》    東立岩 ・ 西立岩 ・ 毛無岩

線ガ滝 〜 東立岩 〜 西立岩 〜 毛無岩 〜 道場 〜 線ガ滝  (周回)

    山仲間のゆきさんと山スキーの計画をしていたが、雪不足のため延期し、代わりに日帰りの山登りをすることになった。 目的地は直前の天気予報を熟慮し、土曜日は西上州(群馬)、日曜日は御坂(山梨)方面としたが、結果的に2日間とも関東甲信地方は快晴の天気に恵まれ、絶好の登山日和となった。 スキー場へ向かう車の渋滞に巻き込まれ、立岩の登山口の線ガ滝の駐車場を9時に出発。 予想どおり駐車している車はない。 恐らく立岩から毛無岩への縦走ルートを今日辿るのは私達だけだろう。 以前冬期にこのルートを歩いた時も誰にも出会わなかった。 西上州の山々もこの時期はそこそこ積雪があるが、麓から見る限り雪の気配は全くない。 冬枯れの明るい樹林帯を小1時間ほど登り、東立岩と西立岩を繋ぐ稜線のコルに向かって足場の悪い急なクーロワールとその側壁を鎖に導かれて登る。 コルに立つ西立岩への標識の裏から僅かに藪尾根を登ると東立岩の山頂だ。 猫の額ほどの狭い山頂には標識はないが展望は抜群で、眼前の西立岩の絶壁と遠くに八ヶ岳や奥秩父の峰々が良く見渡せ、毛無岩までの尾根の連なりも手に取るように分かる。 雲一つない快晴の天気に歓喜しながら一旦コルまで戻り、西立岩へ向かう。 山肌には僅かに雪のかけらが見られるようになったが、足元には全くない。 西上州の藪岩峰のピークにしては珍しく立派なベンチのある西立岩の山頂からの展望も抜群で、隣の行塚山(荒船山)とその奥の浅間山は言うに及ばず、北アルプスの槍や穂高、谷川岳方面の雪山も望まれた。 登山口から2時間足らずでこの展望が得られるのがありがたい。 山頂から一旦大きく下り、鎖が付いた小さな岩峰を1つ乗越してから登山口の線ガ滝へ周回して下る道を左に分け、さり気なく標識で入口を塞いである明瞭な踏み跡を辿り、荒船山と毛無岩を繋ぐ尾根道に向かって登り返す。 30分ほどで尾根道に合流したが、ここにも期待していた雪は皆無で、気温が高いことも手伝ってまるで晩秋のような錯覚を覚える。 尾根道は毛無岩までの各ピークを巻くようにつけられているためアップダウンの標高差は少ないが、途中何箇所か土砂崩れで寸断されている所があり難儀する。 数少ないチェックポイントである相沢越という峠の先で毛無岩を巻く道を右に分け、小さな岩峰を1つ乗越してから毛無岩頂稜部の岩稜を攀じる。 例年どおりのナイフエッジの雪稜を期待していたが、今日の状況では望むべくもない。 2時半前に今日の最高点である毛無岩の山頂に着く。 西上州の山の中でも屈指の高度感と展望を誇る山頂からの展望は素晴らしいの一言に尽きる。 双耳峰の立岩もすでに眼下となり、懐かしさを覚える。 山頂直下の下山路では融雪が凍って歩きにくかったが、アイゼンを着けるほどではなかった。 所々で道を探し当てながら下山口の道場の集落に4時半に下山。 車道を吉祥寺という名刹まで下り、車の回収のため登山口の線ガ滝まで3q弱の坂道を小走りに登る。 残照の立岩がとても印象的だ。 吉井町の「牛伏の湯」で入浴と夕食を済ませ、明日の登山に向けて河口湖方面へと移動する。 登山口の近くの『道の駅なるさわ』で車中泊する。

 

線ガ滝付近から見た東立岩(右)と西立岩(左)


足場の悪い急なクーロワールを登る


クーロワールの側壁を登る


東立岩の山頂


東立岩の山頂から見た西立岩


西立岩の山頂


西立岩の山頂から見た行塚山(荒船山)と浅間山(左奥)


西立岩の山頂から見た毛無岩(中央)


鎖が付いた小さな岩峰


線ガ滝への下山路


岩稜のピークを巻くようにしてつけられている尾根道


尾根道から見た毛無岩


毛無岩頂稜部の岩稜を攀じる


毛無岩の山頂


道場への下山路から見た毛無岩


2 0 0 9 年    ・    山 行 の 報 告    ・    T O P