8月22日、高速道路をランデックI.Cで降り、フォアアールベルク州との境に位置するシルヴレッタゼー(湖)の登山口に向かう。 登山口の手前3キロの所に道路地図に記されてない有料道路のゲートがあった。 信号機は赤だったがゲートのバーは開いていたので、後続の車が何台か通過していく様子を窺いながらゲートを通過する。 シルヴレッタゼーの湖畔には大きなホテルが2軒建ち、観光客用の広い無料駐車場があった。
駐車場から湖畔の遊歩道を5分ほど歩き、道標に従ってホーエス・ラドへのハイキングトレイルに入る。 間もなくホーエス・ラドの山頂直下の取付き(ラドシュルター)と山頂を巻いてラドザッテル(峠)に通じるトレイルとの分岐があり前者のトレイルを登る。 朝露で濡れた細いジグザグのトレイルをひと登りすると、眼下のシルヴレッタゼーやその周囲の山々が望まれた。 トレイルは荒々しい岩の尾根には向かわず、傾斜の緩やかな牧草地の中を進む。 前方にはホーエス・ラドの山頂の十字架が微かに見えた。
二重山稜になっているゴーロの谷が前方に見え、それまでと一変して歩きにくいゴーロ帯をケルンに導かれながら登る。 登りきったところがラドシュルターかと思われたが、その先もまだゴーロ帯と砂地の斜面が続き、登山口から3時間半を要してようやく山頂直下のラドシュルターに着いた。
ラドシュルターからの踏み跡は予想以上に濃く、赤いペンキマークに導かれて山頂に向かう。 岩場のトレイルは先ほどのゴーロ帯よりも登り易く、道標に記されたコースタイムどおりに山頂に着いた。 細長い山頂にはエーデルワイスの飾りが付いた木製の十字架が立ち、スイスとの国境に聳えるシルヴレッタホルンやピッツ・ブインなどの山々が望まれたが、足元のシルヴレッタゼーは僅かにその一部が見えただけだった。
山頂からの素晴らしい展望を充分堪能し、レジストリーBOXの中のノートにコメントを記して下山する。 ラドシュルターからは登りと反対方向のラドザッテル(峠)に下ったが、歩きにくいゴーロ帯や登り返しで予想以上に時間が掛かかった。 ラドザッテルにはチロル州とフォアアールベルク州との境界を示す道標が立っていた。
ラドザッテルからはシルヴレッタゼー(湖)に下って周回する予定だったが、時間がおしてきたので反対方向のラドゼー(湖)を通る周回ルートに変更した。 ルート上からはホーエス・ラドが終始見えたので、ルートを変更したことも悪くなかった。
山からの帰路は料金所に立ち寄って経緯を説明し、後払いで通行料金(19.5ユーロ・邦貨で約3,300円)を支払った。