8月11日、一昨日登ったヴィルデス・マンレの下山中に通過したローフェン(2011m)まで車で入り、フェント・タール(谷)の源頭に向かって幅の広い道を進む。 30分足らずで予定している周回ルートの分岐があり、道標に従ってフェアナークトヒュッテ(2755m)方面へのハイキングトレイルに入る。 トレイルはとても良く整備されていて歩き易い。 しばらくするとフェアナークトヒュッテとその背後に聳える氷河の山が見え始め、ミッテル・ガスラーシュピッツェの支峰(ボーダー・ガスラーシュピッツェ)を左手に仰ぎ見ながら緩やかな勾配のトレイルを延々と進む。
一昨日行ったブレスラウ・ヒュッテ(2844m)へ分岐するトレイルを右に分けて氷河から流れ出す水量の多い沢を渡る。 フェアナークトヒュッテには寄らずにその直下の分岐からミッテル・ガスラーシュピッツェへ登る。 岩の露出が多くなったトレイルをカールの右側から回り込むように登ると、山頂直下のヒンター・ガスラーシュピッツェ(3147m)とのコルに着き、そこから顕著な尾根を僅かに登って十字架が立つ山頂に着いた。
山頂には大きなケルンとエーデルワイスで装飾された十字架が立ち、備え付けられたレジストリーBOXの中のノートにコメントを記した。 高度感のある山頂からの展望は素晴らしかったが、周囲に見える山々の氷河の後退が痛々しかった。
山頂からホッホヨッホ・ホスピッツ(2413m)へのトレイルを下り、快適で清潔感に溢れるヒュッテのテラスでコーラを飲んで寛いだ。 ヒュッテからはザイコーゲル(3398m)方面へのトレイルを右に分けて登山口のローフェンに下る。 消化試合と思われた渓谷沿いのトレイルは変化に富んでいて退屈しなかった。