8月9日、チロル州で一番長いエッツタール(谷)の中心的なリゾートのセルデンの先で分岐する車道を右に入りフェントの集落に向かう。 エッツタールの入口のエッツからセルデンの間には幾つかの小さなリゾートや集落があり、スーパーやガソリンスタンドも点在していた。 山深いフェントまでの車道の路面状態は市街地と変わらず、オーストリアの国力の高さと観光地への投資の多さを実感した。
フェントの集落には10軒ほどのホテルと教会があり、リフトの山麓駅の有料駐車場(6ユーロ)に車を停めてクワッドリフトとペアリフトを乗り継いで登山口の山頂駅(2645m)に上がる。 料金は片道で@19.5ユーロ(邦貨で約3,300円)だった。
新しい道標が立つ登山口からは良く整備されたハイキングトレイルをヴィルデス・マンレに向けて登る。 要所要所の岩にはオーストリアの国旗と同じ赤地に白のペンキマークが塗られていた。 リフトで標高を稼いだため、2時間足らずでオーストリアでの初登頂となるヴィルデス・マンレの山頂に着いた。 山頂にはスイスの山のような立派で大きな十字架が立っていた。 山頂からの展望は素晴らしかったが、眼前に聳えるオーストリアで二番目に高い名峰ヴィルトシュピッツェ(3768m)の山頂が雲の中だったことが玉にキズだった。
山頂からはケルンが立つ最高点を通って反対方向のトレイルを下り、リフトの山頂駅へのトレイルを左に分けてブレスラウ・ヒュッテ(2844m)に向かう。 多くの登山者やハイカーで賑わっていたヒュッテはロケーションが良く、建物の内部やトイレは清潔感に溢れていた。 ヒュッテで食べたケーキは町のレストラン以上に美味しく、シーズン中には予約なしでは泊まれない人気の高さが納得出来た。
ヒュッテからフェントへの下山ルートは途中でリフトの山頂駅とローフェンへ分岐していたが、季節の花々が期待出来る後者を選択する。 車で入れる最奥の集落のローフェン(2011m)には2軒のホテルが建っていた。 ローフェンからは車道ではなくハイキングトレイルを歩いてフェントの駐車場に戻った。