12月26日、時差ボケは治らず(時差はマイナス14時間)、3時頃から目が覚めて眠れなかったが、心配していた頭痛が全くなかったので嬉しい。 起床後のSPO2と脈拍は92と58で、まずまずの順応が出来ていた。 今日は順応活動の第二段階としてホテルから1時間半ほどで登山口にアプローチ出来るウアウア・ピチンチャ(4780m)に登る。 天気は晴れで車窓からはコトパクシが見えた。 キト市内を走る車は前回の滞在時に比べて明らかに新車の比率が高まり、国力が上がったことを物語っていた。 キトから近いウアウア・ピチンチャ周辺の山域は昨日登った牧歌的なセロ・パソチョアとは違って観光化されており、オフロード車であれば山頂近くまで登れ、また一部にはゴンドラも架かっている。 セバスチャンの話によると、前回の滞在時に登ったルコ・ピチンチャ(4698m)の『ルコ』は“お爺さん”または“古い”という意味(死火山)で、『ウアウア』は“赤ん坊”または“新しい”という意味(活火山)らしい。
昨日の経験を活かし、今日は途中からセバスチャンのオフロード車に乗り換えてダートの山道を辿る。 平岡さんと哉恵さんは志願して荷台に乗る。 順応が目的なので4130mの案内板がある所で車を降り、そこから車道を登ったりショートカットしたりして山小屋の建つ車道の終点までゆっくり2時間ほど歩く。 途中で前回の滞在時にお世話になったガイドのマルシアーノに再会する。 車道の終点からは火山特有の砂礫の道となり、風の強い尾根を1時間ほど登って溶岩が固まって出来た山頂に着く。 すでに正午を過ぎて周囲から雲が湧いているため遠くの山は望めないが、隣のルコ・ピチンチャが良く見えた。 下りは車道の終点までセバスチャンに車を上げてもらい、体力の温存を図る。
下山後はキトには戻らず、明後日からのカヤンベ登山に備えてその麓のグアチャラ村の宿に向かう。 途中車窓からカヤンベ(5790m)が見えた。 その昔ウインパーも投宿したという歴史を持つ宿のオーナーはカヤンベ市の元市長とのことだった。 宿の標高は2900mでキトのホテルとほぼ同じ高さだった。 夕食にはセバスチャンの奥さんのアリ(コロンビア人)も同席し、エクアドルの自然に関する色々な話を聞いた。