8月24日、午前中はまだ風が強いという予報だったので、出発時間を少し遅らせてトレイルヘッド(TH)に向かう。 前回は閉まっていたウォータートン・レイクス国立公園の料金徴収ゲートは7時から開くようで、窓口で1日利用券を21CADで購入する。 バンフ国立公園のように1人いくらではなく、車両1台でいくらという料金形態だった。 ゲートを過ぎてウォータートン・レイクの湖畔で山々の写真を撮りながらTHに向かっていると、不意に湖畔の遊歩道を悠然と歩くブラックベアに遭遇した。 ブラックベアは車に気付いたが逃げる気配は全くなく、車の進行方向と同じ方向に遊歩道を歩き続けたので、車内から数分間写真やビデオを撮ることが出来た。
THには広い駐車場があり、周辺のハイキングトレイルの案内板が置かれていた。 再びクマと出遭うことを恐れ、久々にステレオを鳴らしながら入山する。 山火事跡の明るいハイキングトレイルはとても良く整備され、この山域特有の赤いアージライト(粘土岩質)の地面と少し紅葉した草とが織りなす景色がとても綺麗だ。 帰路の周回ルートの下降点を過ぎると間もなくロウアー・ロウ・レイクとの分岐と標識があった。
分岐から少し歩くと明るく開けたメドウに出た。 メドウからは逆方向にマウント・リネハムの山頂が望まれた。 メドウの真ん中を通るトレイル上には少し古いがクマの糞が見られた。 メドウの先でアッパー・ロウ・レイクとの分岐があり、そこから先は森林限界となって展望が良くなった。 ようやくクマの恐怖から解放され、アージライトの赤い砂礫の斜面をリネハム・リッジに向けてトラバース気味に登る。 リネハム・リッジでトレイルは左右に分岐していたが、どちらも同じくらい明瞭な踏み跡が見られた。 分岐を右に行くとすぐに展望が開け、大小4つのリネハム・レイクスと山域の最高峰のマウント・ブラキストン(2910m)が眼前に望まれた。
リネハム・リッジのビューポイントからは緩やかな勾配の岩尾根を辿っていくが、スクランブルは皆無でとても登り易かった。 踏み跡は途絶えることなく続き、山頂手前の周回ルートの分岐にはケルンが積まれていた。
マウント・リネハムの山頂には大きなケルンが積まれ、中にレジストリーBOXが二つ置かれていた。 箱の中には小さなノートが入っていたので記念のコメントを記した。 山火事の影響はまだ続いているが山頂からの展望は素晴らしく、先日登ったマウント・クランデルやその名のとおり赤い色をしたルビー・リッジなどの山々が望まれた。
山頂手前からロウアー・ロウ・レイクの方向に下る周回ルートは急勾配だったが、踏み跡が細かくジグザグが切られていたので予想よりも楽に下れた。 ハイキングトレイルが近づくと藪に入って踏み跡は薄くなったが、往路で確認した下降点にピッタリ降り立った。
山域 ウォータートン・レイクス国立公園
THへの距離 295km THへの時間 3:10
THの標高 1610m 山頂の標高 2728m
単純標高差 1118m 累積標高差 1150m
歩行距離 14.3km 所要時間 7:30