8月15日、93号線の最高地点のサンワプタ峠(2035m)を初めて越え、ロッキーの観光地で有名なコロンビア・アイスフィールド(氷河)の観光客用の駐車場に車を停める。 駐車場からは名峰マウント・アサバスカ(3491m)の左奥に目標のバウンダリー・ピークが望まれた。 駐車場はすでに森林限界を超え、ウラシマツツジの紅葉が始まった草付きの斜面を登り始める。 氷河観光のスノー・コーチ(雪上車)の発着場への専用道路をしばらく歩くと、発着場の手前に踏み跡が見られたのでそこから山に取付く。 踏み跡は予想以上に明瞭で、勾配も緩くて登り易かった。 眼前の前衛峰を目指してジグザグに登っていくと麓からは想像出来ない広い草原のスロープが現れた。 前衛峰には登らず、左から巻くように草原のスロープを緩やかに登っていくとモレーンの末端に出合い、荒涼としたバウンダリー・ピークの全容が望まれた。 前衛峰とのコルを目指してモレーンを登る。 踏み跡は薄くなったが要所要所にケルンが積まれていた。 足元に氷河の伏流の音が聞こえ、眼前のアサバスカが近づいてくると前衛峰とのコルに着いた。
前衛峰とのコルからは広い斜面の中央に刻まれた明瞭な踏み跡を登る。 最初は快適に登れた岩屑の道は途中から砂が混じる悪路になってしまったので、右脇の岩屑の中に見え隠れする薄い踏み跡を拾ってジグザグに登る。 帰路の安全を担保するため、所々にケルンを積んでいく。 山頂の手前で元の踏み跡に合流すると間もなく頂上稜線の端に乗り、僅かな稜線漫歩でバウンダリー・ピークの山頂に着いた。 ジャスパー国立公園とバンフ国立公園との境界線上にある山頂からの展望は素晴らしく、この山がアサバスカを望む唯一無二の展望台だと教えてくれた。
山頂からは往路と同じ道を下る。 予想よりも前衛峰とのコルへの急なガレ場の下りは楽だった。 山は貸し切りだったが、下界ではアサバスカ氷河へスノー・コーチ(雪上車)で次々と運ばれていく観光客の姿が多く見られた。
山域 ジャスパー国立公園
THへの距離 310km THへの時間 3:20
THの標高 1970m 山頂の標高 2870m
単純標高差 900m 累積標高差 920m
歩行距離 7.6km 所要時間 6:00