8月14日、24年前に訪れたエメラルド・レイクの湖尻の駐車場に車を停める。 レイクの湖畔からマウント・バージェスやミッシェル・ピークなどの山々が望まれ懐かしかった。 駐車場の端のハミルトン・レイクへのトレイルヘッド(TH)から歩き始める。 レイクまでのトレイルは良く整備されていて歩き易かったが、残念ながらトレイルから眼下のエメラルド・レイクは殆ど見えなかった。 ハミルトン・レイクの湖尻からは眼前にエメラルド・ピークやマウント・カーナーボンが大きく望まれ、いつまでも佇んでいたい雰囲気のある美しい湖だった。
TEのハミルトン・レイクの湖尻から獣道のような踏み跡を辿って急斜面を登る。 すぐに踏み跡は途絶えてしまったが、間もなく湖畔からの明瞭な踏み跡に合流すると、その先にケルンが積まれたエメラルド・ピークへの取付きがあった。 取付きからケルンを目印にモレーンを斜上すると砂礫の急斜面となったが、踏み跡は予想以上に明瞭で、ケルンが積まれた広い尾根の末端に導かれた。 岩屑の尾根にも薄い踏み跡やケルンが見られたが、傾斜が緩いのでどこからでも登れた。 間もなく右の眼下にはエメラルド・レイクが、続いて左の眼下にはハミルトン・レイクが見えるようになった。
山頂手前の切り立った岩壁の基部を左から巻くと尾根は痩せ、所々でスクランブル(手を使って登る)となった。 大きな岩が複雑に積み重なる岩稜にはユニークな岩の迷路があり、函状の通路に降りてから人がやっと通れるくらいの岩のトンネルを抜ける。 トンネルの出口から僅かな距離で猫の額ほどの狭いエメラルド・ピークの山頂に着いた。
山頂には大きなケルンが積まれ、その懐にピンク色のレジストリーBOXが置かれていた。 箱の中には先人が足跡を記した小さなノートが入っていたので記念のコメントを記した。 高度感のある山頂からの展望は素晴らしく、エメラルド・レイクを囲むヨーホーの山々が一望された。
帰路は山頂から岩場を少し下り、エメラルド・レイクに向かって一直線に岩屑のザレた沢を下る。 勾配はやや急だったが踏み跡は濃く、樹木が一切なかったので終始レイクと周囲の山々が望まれ退屈しなかった。 エメラルド・レイクの湖畔は夏休みの観光客で溢れ、貸し切りだった静かな山とは全く趣を異にしていた。
山域 ヨーホー国立公園
THへの距離 220km THへの時間 2:20
THの標高 1300m 山頂の標高 2555m
単純標高差 1255m 累積標高差 1280m
歩行距離 10.3km 所要時間 8:00