8月2日、レイク・ルイーズの駐車場に車を停められるか心配だったが、意外にも早朝から交通整理の誘導員が多く見られ、何カ所かある広い駐車場の空いているスペースに誘導され無事停めることが出来た。 駐車料金は料金徴収機に車のナンバーを入力し、クレジットカードのみの支払いで21CADだった。
予想どおり世界的な観光地のレイク・ルイーズの湖畔には観光客が鈴なりでご来光の時を待っていたが、正面の一番奥に見えるマウント・ビクトリアの氷河は温暖化でだいぶ小さくなったように思えた。 湖畔からミラー・レイクへのハイキングトレイルには、その先のレイク・アグネスを経てビッグ・ビーハイブに向かうハイカーが多く見られた。 池のような小さなミラー・レイクからは眼前にビッグ・ビーハイブのユニークな岩峰が仰ぎ見られ、大雪で難儀した前回の記憶が蘇ってきた。
ミラー・レイクを過ぎるとトレイルからの展望が良くなり、リトル・ビーハイブの手前からマウント・セント・ピランへの踏み跡に入る。 意外にも分岐にはセント・ピランと記された新しい標識があり、山頂までのトレイルがオフィシャル・ルートであることが分かった。
分岐からの踏み跡は明瞭で、間もなく森林限界となった。 先ほどまでの喧噪が嘘のように人影がなくなり、それに代わってライチョウやナキウサギの姿が見られた。 レイク・ルーズや山々の展望も良くなり、緩やかなジグザグの登りを繰り返しながら山頂に伸びる顕著な尾根に乗る。 尾根からはスコーキー・バリーの山々などが遠望された。 岩が堆積する尾根も踏み跡は明瞭で、労せずしてマウント・セント・ピランの山頂に着いた。
広い山頂には背の高いケルンが二つ積まれ、傍らには風除けの大きな石囲いがあり、登山者に餌付けされたリスが走り回っていた。 山頂からの展望は素晴らしく、眼前にはマウント・ニブロックが鎮座し、眼下にはレイク・ルイーズが望まれた。
山頂からはレイク・アグネスを通る周回ルートをとり、往路と反対側の広い尾根をゴート・パスに向けて下る。 こちらはオフィシャル・ルートではないようで踏み跡は薄くなったが、代わって要所要所に積まれたケルンが導いてくれた。 ゴート・パスには大きなケルンがあり、左方向のカールに向けてザレた草付きの急斜面を下る。 カールに近づくと踏み跡が明瞭になり、カールの左岸を辿っていくと間もなく前方にレイク・アグネスが見えた。
レイク・アグネスの湖畔を周遊するトレイルを歩き、多くのハイカーで賑わう湖尻のティーハウスを横目で見ながらミラー・レイクへ下る。 ミラー・レイクからは往路と同じトレイルで喧噪のレイク・ルイーズに戻った。
山域 バンフ国立公園
THへの距離 190km THへの時間 2:00
THの標高 1730m 山頂の標高 2650m
単純標高差 920m 累積標高差 950m
歩行距離 13.0km 所要時間 7:00