8月1日、トレイルヘッド(TH)の手前に建つノーケイ・スキー場のロッジは建替えられ、以前よりも大きく立派になっていたが、THの標識は以前と同じように地味で目立たなかった。
展望のない針葉樹林帯の中を下り気味に歩く単調なトレイルは記憶に新しかったが、登山者が増えたことで熊の気配は全く感じられず、木々を登るアカリスの姿が頻繁に見られた。 ルート上で標高が一番低いクリークに架かる橋は新しく、ここからは登り一辺倒のトレイルとなる。 エルク・レイクとの分岐を過ぎると勾配が徐々に増したが、トレイルは相変わらず良く整備されていて歩き易い。 トレイルエンド(TE)のカスケード・アンフィシアターとの分岐には通行止めを示唆するような倒木が置かれていたが、TEへのトレイルよりもカスケード・マウンテンへの踏み跡の方が明瞭であるようにさえ思えた。
分岐から雑木の中の明瞭な踏み跡をしばらく辿るとようやく展望が開け、マウント・コーリーから北に連なるソーバック・レンジの山々が一望された。 森林限界を過ぎるとすぐに大小の岩が堆積する広い尾根となり、ケルンとオレンジ色のペンキマークを頼りに岩の上をバランス良く登っていく。 途中から尾根の右斜面を巻くように踏み跡を辿って小さな岩峰(第1ピーク)を巻くと、ようやくカスケード・マウンテンの山頂とその手前の大きな岩峰(第2ピーク)が顕著な尾根の先に望まれた。
第1ピークを過ぎると踏み跡は再び濃くなり、展望の良い尾根からは今回計画しているマウント・ボージョーやマウント・ランドルなどの山々が望まれた。 重厚な第2ピークは尾根を登らず、右からトラバース気味に大きく巻いてその支尾根を乗越す。 支尾根から第2ピークの基部のバンドをトラバースして主尾根に復帰すると、カスケード・マウンテンの山頂が眼前に大きく望まれた。
意外にも第2ピークを過ぎても踏跡は依然として明瞭でスクランブルする所は全く無く、24年前に悪天候で敗退したカスケード・マウンテンへの登頂は予想以上に容易だった。 高度感のある山頂からの展望は雄大で、前回の最終到達地点のカスケード・アンフィシアターも眼下に望まれた。
山頂からは展望を楽しみながら意気揚々と森林限界まで下ったが、目標を失った身にはクリークに架かる橋からTHへの長い登り返しが堪えた。 帰宅後にミカコさんから、次の日曜日の山のお誘いのメールがあった。
山域 バンフ国立公園
THへの距離 135km THへの時間 1:30
THの標高 1660m 山頂の標高 2998m
単純標高差 1298m 累積標高差 1500m
歩行距離 19.0km 所要時間 10:30