7月29日、朝のカルガリーは霧に包まれ、トレイルヘッド(TH)の気温は3℃だった。 テント・リッジはマイナーな山だと認識していたが、土曜日ということもあってTHには登山者の姿が散見された。 THには注意書きを記した標柱が一本立っているだけだったが、トレイルの踏み跡は予想以上に明瞭だった。 意外にもトレイルの脇にはまだ花が残っていたので退屈しなかった。 明るく開けた広いメドウに着くと、テント・リッジの山頂と人工物が建つニセピーク、そしてテント・リッジの長い稜線が一望された。
ニセピークに向けて登り始めると間もなく森林限界となり、スプレイ・レイクや見知らぬロッキーの山々が見えた。 森林限界からは顕著な岩尾根となったが、スクランブル(手を使って登る)する所は僅かで、殆どは明瞭な踏み跡を辿っていく。 ニセピークの山頂には気象観測機器が置かれていた。 ニセピークは展望が良く、指呼の間にテント・リッジが見えたが、その背後に聳えるマウント・スマッツなどの山々の存在感が勝り、テント・リッジはその展望台という感じが否めなかった。
ニセピークからはザレた斜面をコルに向けて下ってから登り返すが、見た目ほど苦しい登りではなかった。 猫の額ほどの狭いテント・リッジの山頂にはケルンなどは積まれていなかったが、山頂からの展望はニセピークよりも一段と素晴らしく、この山の人気の高さが頷けた。
山頂からは北の方向に起伏の少ない痩せた稜線を漫歩する。 稜線からは図らずも憧れのアシニボイン(3618m)の雄姿を初めて拝むことが出来た。 スプレイ・レイクが眼下に広く望まれるようになるとトレイルは下り一方となり、最後は周回ルートのTHに向けて尾根から右に折れて樹林帯に下る。 意外にも樹林帯にはライチョウの姿が見られた。 周回ルートのTHに降り立つと、林道には長い路駐の車の列が出来ていた。
山域 カナナスキス・カントリー
THへの距離 155km THへの時間 2:10
THの標高 1890m 山頂の標高 2535m
単純標高差 645m 累積標高差 794m
歩行距離 10.4km 所要時間 6:00